ここから本文です

上映中

モアナと伝説の海 (2016)

MOANA

監督
ジョン・マスカー
ロン・クレメンツ
  • みたいムービー 671
  • みたログ 2,039

4.13 / 評価:1,742件

これぞ現代的プリンセス神話の集大成

  • tyaichiro さん
  • 2017年3月10日 22時38分
  • 閲覧数 5955
  • 役立ち度 23
    • 総合評価
    • ★★★★★

 今作『Moana』は、ディズニー自社によるアンチプリンセスの到達点であり、現代的ディズニープリンセス神話の集大成である。
 ポリネシア系初のプリンセスのモアナは、自ら冒険の旅に出た。王子様をただ待つのではなく、その旅は男女間の恋愛のためでもない、自分の選択で外の世界へ、世界を救う旅に出るのだ。これぞディズニー・アニメーションが『プリンセスと魔法のキス』から描き続けてきた現代的ポリティカル・コレクトネスに沿った第三期プリンセスの決定版なのだと思った。

 そして、このストーリーは、冒険アクションファンタジー、『スター・ウォーズ』や『指輪物語』に代表される「行きて帰りし物語」の神話、そして、『マッドマックス』や「怪獣島モノ」を詰め込んだ、まさに全国小学生男子のための物語でもある。え、ちょっと待って、それって最高じゃないですか。
----------------------------
 保守的な村のプリンセスであるモアナは、決して出ることが許されない海の境界線の外の世界へ憧れ、旅に出た。それはかつて『アナと雪の女王』で、「♪Let it go(ほっといて)」と氷の城の扉を固く閉ざした内向的なプリンセス:エルサとは少し異なる、モアナは「ココではないどこか」に自分を見出だそうとする外向的なプリンセスである。
 今作のストーリーは、過去のプリンセス神話をなぞり、その先を見せてくれる。
 例えば、彼女の周りの環境。海の境界線の外を超えることを許さないモアナの父親は『リトル・マーメイド』でアリエル(プリンセス)を決して陸に近づけようとしなかったトリトン王に似ている。ちなみに、『リトル・マーメイド』は今作と同監督コンビの作品であり、第二期プリンセスの一作目でもある。第二期プリンセスは、第一期プリンセスの受動的な恋愛をする女性とは異なり、主体的に行動し、王子様への恋愛を進めていく知的好奇心旺盛な女性という特徴がある。今作のモアナは、主体的に行動をするが、それは自分の「夢」や興味のためであり、決して「恋愛」のためではないという点において、やはり第三期プリンセスの代表なのである。
 他にも、ヴィランの配置、プリンセス神話(特に第一期)の悪役の多くが継母、「プリンセスになるはずだった女性」だという点も類似していた。

 また、一秒一秒が目の栄養、「眼福」とは今作のこと、というアニメーション。3D表現は言うまでもなく、海、特に流体表現、また蛍光色の美しさと、粒子表現、何を取っても現行トップクラス。特に、本来2Dアニメイターの世界最高峰であるロン・クレメンツ&ジョン・マスカーのコンビのセルアニメの技術が、ある男のある所で発揮されているのが嬉しい。

 兎にも角にも、私は今作『Moana』が過去の神話の基盤を大きく更新した上で、面白く感動的な
作品に仕上がっていることに最上級の喜びを感じ、こんな映画に劇場で出会えた感動に落涙するのでした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • かわいい
  • スペクタクル
  • ファンタジー
  • 楽しい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここまでです このページの先頭へ